ドレーピング ポイント

ドレーピングとはどんなものか ?

ドレーピングとは、ボディーに直接コットントワルや服の布地を着せ付けてピンで止め、鋏でカットしながら、立体上で服の形を作る技法をいいます。

 

それに対して一般的に知られている製図法には、原型を使って紙面上で行う平面作図法がある。この製図方式では、人間が着たときのシルエットの美しさや着心地は、あくまでも平面から立体を想像することになります。その点でドレーピングは、立体的に服の形が見られるので、シルエットやデザインのパランス、量感などが実物同様に確認できる。しかし、両者にはそれぞれに一長一短があるのです。

 

まずは立体裁断の流れを動画でみてみましょう。
立体裁断の流れやポイントが一目でわかる動画です。

 

 

ドレーピングはもともと、ヨーロッパのオートクチュールからの技法であり、日本のアパレルで一般的に普及しはじめてまた半世紀にも満たない。このドレーピングの手法は、紙の上では予測しにくい布の動きがつかめるので、ドレープ入りの柔らかい布の服や図柄を生かしたデザインなどで、とりわけその効果を発揮するといえます。

 

しかし、何でもこの手法で作ればよいかといえば、そうとは限りません。
服によっては必要性のない場合もあるし、下手な技術ではかえって平面製図よりも手に負えないことがあるんですよね。

 

アパレル企業としては、必要を満たす型紙が製図だけで得られるのなら、そのほうが効率的、かっ経済的だと思います。
ドレーピングを採用するには、手間をかける労力と時間に加え、何よりも高度なテクニックがなくてはならないからですね

 

平面製図の理解あってのドレーピング

 

「器用さ」だけがドレーピングのテクニックではありません。

 

ます第一に、型紙としての理論的な正しい構成力が必要です。

 

これが完全でないのにシルエットやデサインの表現ばかりに傾注するのは本木転倒といえますよね。この両者がパランスよくできて初めてよいモデリングといえるのだと思います。

 

平面製図で描くシルエットやデザイン線は、紙の上に引かれた想像上の線でしかありませんが、この製図を理解した上での応用力があればこそ正しい製図の型紙が作れるといえます。

 

その結果、感性豊かな表現の立体が組み立てられるし、上達もすると思います。

 

言葉を換えれば、平面製図に対して「立体製図」といってもよいほど、ドレーピングでは製図力が試されるのです。

 

パターンメーキングの原点は製図にあります。

 

原型の操作、シルエットの構造、ダーツの扱い方、描く線の性質、型紙の形状の意味合いなどの理論的な知識が基本になければ、手加減に頼ったあいまいなドレーヒングになり、服の型紙にはならないのです。

 

理論とテクニックの両者が補完し合ってこそ、紙になるのだと思います。
イメージカなしにはドレーピングはできない。よい型服の形は、それを着る人間と同じく立体的であるべきです。

 

そして、より立体的たらんとする服であるほど、人間の体つきを考慮したシルエットと全体のパランスが重要視されるのです。

 

それだけに、製作の難易度も高くなる場合が多く、立体で作りさえすれば、よい形の服になるわけではありません。

 

未熟なテクニックではかえって悪くしてしまうことも多いのです。

 

ドレーピングは、一見楽しげに感じられますがが、実際にはそう簡単なものではありません。

 

これから形づくろうとする服の立体像がまずイメージできなければ、よい形の服を作ることはできないのです。

 

ボディーの上で、限られた選択肢の中から最良の表現を選び取るのは、トワルをカッティングする者(ドレーピングをするパタンナー)の能力次第といえます。

 

デザイナーではパタンナーーのデザインカ(意匠カ)同様にの造形力が決め手となるのです。