転職して2年、残業と休日出勤の日々です。
ハタンナ?という仕事が大好きで、大手アパレルメーカーから転職したのですが、仕事が忙しくて心のゆとりがなくなってきました。
仕事自体は面白いのですが、精神的にも肉体的にも辛くて・・・。できればもう一度転職したいと思っています。
(Hさん 27歳 パタンナー)
Hさんはこれまで二度、就職に失敗していました。
Hさんは東京の服飾専門学校でハターン技術を学び、そのスキルは学校内でもトップクラスの成績を修めていました。それだけに自分の技術をもっと磨いてファッションビジネスの最前線で活躍したいという希望をもっていたそうです。
就職活動は、大手アパレルが中心でした。そして希望通り、大手アパレルに就職が決まり、配属先も商品企画部。
パタンナーとしてのキャリアがスタートしたのです。
もともとは自分も親近感が持てるヤングプランドを希望しましたが、配属部署での担当はミセス。「それでも入社できた喜びがまさっていた」そうです。
入社してみると、さすがに大手の会社は組織がしっかりしていてハタンナーは8名のメンパーで仕事を分担してしました。
先輩スタッフはみな優秀で「毎日が学ぶことばかりだった」と言います。
無我夢中でパタンナーの仕事に没頭しつつも「いずれはヤングゾーン」を手がけたい」という思いを抱きながら仕事をしていました。
仕事への違和感
入社3年目に一つの洋服を任されるようになりました。
それまでの経験で、担当してしるプランドに対していろいろな意見をもっていたそうです。パタンナーですから、洋服のシルエットとか、裁断の仕方など、「こうすればもっとおしゃれになる!」という思いがたまっていったそうです。
あるとき、思い切って上司にHさんの考えをぶつけてみたそうです。
ところが返ってきた答えは「このプランドはそんなことはしなくていい。これまで通りにしていればいいんた」というものでした。
それから何度か意見を上げましたが、返ってくるのはいつも同じ返答。
理由を聞いても明確な答えは返ってきません。
そんな頃から「やっぱりヤングターゲットの洋服がつくりたい」という以前の気持ちがまた、強くなっていきました。
転職先を間違った
日が経つにつれ、仕事に違和感を覚えるようになりました。
商品に自分が希望するイメージとの違いを強く感じ始めたのです。
自分で納得のいく仕事ができない。仕事の楽しさも味わえない状態になっていったそうです。
日増しに上司との関係もうまくいかす、仕事の生産性も落ち始めてきました。Hさんは退職を決意しました。
Hさんは、親しい友人に相談しました。すると、その友人は「取引先で若い会社だが、業績を申ばしているところがある」という情報をくれました。
その会社はヤングゾーンの商品を中心にオリジナルプランドを手がける一方で、有力専門店のOEMも展開しています。
速いサイクルで商品を開発して、売り場にどんどん提案しているということでした。
Hさんは「ここなら、私のしたいことを思つきりできるかもしれない」と思ったそうです。
以前からやりたかったヤングゾ?ンの仕事ができるというのも魅力でした。
Hさんは友人の紹介を得てその会社を訪問しました。面接に当たったのは社長自らでした。
Hさんはこれまで手がけた商品の写真や作品を持参しパタンナーとしてのキャリアをアピールしました。
社長はHさんの実力と人柄をいたく気に入った様子で、翌日には採用の連絡があったそうです。
Hさんは自分のキャリアを生かした転職をすることができたと、そのときは大喜びしました。
人社してからというもの、Hさんの生活はそれまでとは一変しました。
規模が小さく、小人数で運営しているため、一人当たりの仕事量は、前職の大手アパレルメーカーとは比べものにならないほど多くなりました。
ヤングが対象ですから売り場は次々と新しい商品を欲しがります。
一つひとつの士事のノルマは厳しく、残業の毎日です。
仕事がこなせなければ当然のように休日に出勤してでも仕事を終わらせなければなりません。
Hさんは能力があったのでしよう。
同僚が積み残した仕事のヘルプに回ることも多く、残業も休日出勤の回数もどんどん増えていきました。
「休みは月に1日だけ」という時期もあったそうです
2年が過ぎ、Hさんは体力的に限界を感じ始めました。
「このままでは身体を壊すことにもなりかねない。」と感して、二度目の退職を決断しました。
「転職は失敗だった」と後悔しました。でも、それは転職が失敗だったのではなく、「転職した会社を選んたことが失敗だった」と、
Hさんは考えました。「今度こそ、自分が生き生きと仕事ができる会社に就職したい」
そして転職エージェントを訪れたのでした。
自分を徹底的にさらけ出す
最初に人社した大手アパレルも、次の会社も、最初の面接の時に仕事上の十分な詰めができていなかったのでしょう。
パタンナーなどの技術者が犯しやすいミスです。
商品テースト、会社の規模、流通形態などをよく認識したうえで就職を決めなければいけません。判断が甘かったということです。
Hさんには「徹底的に自分をさらけ出しなさい」とアドバイスしました。
自分のやりたい商品ターゲットやテスト、企業規模、就労関係、とくに賃金、労働時間など、細部に渡って打ち合わせしました。
Hさんは本当にここまで徹底的に自分のやりたいことや思いを分析してみることが必要だとは考えていなかったようです。
「自分の甘さを痛切に感じた」と話していました。
転職エージェントとの出会いのなかで、自分の心にあることを素直に話し、アドバイスを受けることの大切さを深く感じたようです。
相談すること、相談にのってもらえる環境づくりが再就職のための第一歩なのです。
Hさんはアドバイスを受けながら、次の就職活動を進めているうちに、
「これからは楽しく仕事ができるような自信が湧いてきた」といっていました。
そしてある会社を選んで面接に臨みました。
彼女は自分の意見、望みを率直に相手に話したそうです。
結果は採用。
選考を受けた会社がほぼほぼ希望した条件の大半を受け入れてくれたことで「最高の満足感を得ることかできた」とのことでした。
就職のための知恵を学ぶことが、仕事をしていくうえで、自分の技や得手を発揮できることにつながるのです。
転職は徹底した自己分析から始まる。
何がやりたいのか。
どんな職場環境か。
望む労働条件は可能か。
それを明確にすることがきわめて大切です。すべてのスタートラインはそこにあるきがします。
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